三宅一生さんとありし日の石津謙介・昌子夫妻
 
 
"葬式は行われなかった。理由はいたって素朴で、謙介は献体の登録をしていたのである。それに、常々口にしていた。そして遺言として残した。
「葬式不要。戒名無用」
明治に生まれ、大正、昭和、平成と生き抜き、大往生である。
昌子夫人は、まるで夫を追うように半年後に死去。夫人もやはり献体登録をしていた。"

同「ええかっこしい」より