この「石津謙介 世界の服飾めぐり」特集の62頁から64頁には、面白い記事がある。
それは「これが本場のアイビー」と題した対談で、「アイビーリーガースの猛者達」(くろす・としゆき氏他と思われる)が、旅から帰った石津謙介に、本場アメリカのアイビーについて質問しているもの。
東海岸はおろか、ハワイすらも夢だった当時の日本で、石津謙介率いるVAN JACKETによって提唱され、突然流行し始めたアイビー・ファッション。いまでは信じられないことだが、本場アメリカのアイビーは誰も知らない、見たこともなかったのだ。
この対談は、当時の日本のアイビー・ファンが、なんとかアイビーの情報を知りたい、伝えたいという真剣味に溢れている。

その頁の下にはくろす・としゆき氏の手になる「ブルックスブラザーズ物語」が載っている。
サブタイトルは「ブルックスを知らずしてアイビーを語るなかれ!」。

この数年後、くろす・としゆき氏は石津祥介の招きによりヴァン ヂャケットに入社、アイビーの企画に敏腕をふるうことになる。