帝国ホテル

1965年(昭和30年)、長男、祥介夫婦は、子供が生まれたこともあって四谷の家に住むことになった。
そして四谷の家を出ることにした謙介が選んだ次なる住まいは帝国ホテルであった。ファッションという仕事に携わる限り、情報の中心地、銀座に居を構えるのもひとつ、と色々と探してはみたがなかなか意に叶う物件が見つからず、のことであったらしい。「そこで、銀座に近い帝国ホテルの1階にあるアパートメントに住むことにした。誠に快適である。毎日のサービスは完璧。誰が訪ね来てもルームサービスで直ちに食事が運ばれる。毎日のリネンサービスも、トイレットペーパーも、お掃除も留守中の電話も、すべて完全なサービス付」。(住宅情報 H3 1/2・9号『私はつねに「住みたい家」に住んできた』)この帝国ホテル住まいはホテルの改装のため2年余りのことであった。