誕生パーティに集まった蒼々たるメンバー
林英哲 横尾忠則 山本陽子 三宅一生 吉永小百合 瀬戸内寂聴などの皆さんに
囲まれた二人(敬称略)

 

 

そこに宇野千代さんが入ってきました。
私はそのときずいぶん久し振りにお目にかかったのですが、もう宇野千代さんが部屋に入って来るや部屋の中が物凄い緊張感に包まれました。何か他の人にはない力のような、いわゆるオーラのような妖気が宇野千代さんから出ているかのように。各界の名のある人たちが何人もいましたが、皆も堅くなっていました。

と、その時、宇野千代さんが私に向かってこう言ったのです、
「あら、石津さん? あなた可愛いから私の6番目のボーイフレンドにしてあげるわ!」
もうこの一声で、私だけでなくこの場の雰囲気が一変してしまいました。後はもう楽しく皆で愉快に過ごしました。私は大変感動し、また驚きました。
"ああ、これが宇野千代という人なんだ。やはり凄いものだ"と思いました。何気ない一言やしぐさに宇野千代さんの生き方が表れているような気がしたのです。